「ブーリン家の姉妹」(2008年アメリカ・イギリス)

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【ジャンル】歴史ドラマ・ヒューマンドラマ
【監督】ジャスティン・チャドウィック
【脚本】ピーター・モーガン
【出演】ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナ、デヴィッド・モリッシー、クリスティン・スコット・トーマス、マーク・ライランス、ジム・スタージェス、ベネディクト・カンバーバッチ、アナ・トレント


賢く勝気な姉と、謙虚で優しい妹。
性格は違っていても、いたわりあい助け合う仲のよい姉妹だった。
1人の男性が彼女たちの世界に現れるまでは。

男の名はヘンリー8世。英国王。

首都での出世を狙う叔父と父の計画により、ヘンリー8世の愛人に志願する決意をした姉。
しかし、勝気すぎる長女は王のプライドを損ねてしまう。
王の気分を和らげるために送り込まれた妹は、新婚の身でありながら王に気に入られてしまう。
姉妹の間に初めて入った亀裂。

ヘンリー8世がアン・ブーリンとメアリー・ブーリンの姉妹を愛人としたことは史実に基づいています。
(どちらが姉であったかは諸説あるようです)

しかし、この映画の見どころはなんといっても
「姉妹 その複雑な愛憎関係」
でしょうね。
私にも妹がいるので、かなり生々しく感じました。

姉は妹が可愛いのも心からの感情。
でも、妹に自分が負けるなんて、プライドが許さない。
妹は姉を尊敬しているのも本心。
でも、わがままな姉と自分はちがう、自分は身の程を知っている、という高慢さに気付かない。





もしも妹が、
「お姉ちゃんばっかりお父さんに可愛がられてズルイ」とか、
「どうして私ばっかりお姉ちゃんの尻拭いをしなくちゃいけないのよ!私は新婚なのよ!」とか、
そんな風だったら。
姉はもっと、妹に優しくできたと思います。

「私の本心ではないけど、でも私はいいの、みんながそれで助かるなら」
それは妹という立場の人がもつ優しさでもあるとは思うけど、
自分の我を通すために闘い抜いてきた立場の姉としては、
そんないい子ぶった顔は面白くないわけです。
姉が常に妹より優れている、というのが、仲良し姉妹のバランスに必要だった。

妹の中にも、我知らず、姉への恨みが積もっていたのかもしれませんね。
だから、姉の失敗をフォローするのは、心ならずもいい気分だったはずです。
それに、ヘンリー8世に愛されてしまったのはわざとではないし。
自分のせいじゃないことをきっかけに初めて姉に勝てた妹は、ひそかな優越感に酔ったのでは。
それで調子にのってくれていたら、姉はまだ「バカな子」と思って救われたかもしれませんが、
「こうなってしまったのは私の望むところではないの」
という態度が、まあ、ムカつくでしょうねえ……

ヘンリー8世の口説き方も、さすが恋多き王は女の落としどころを知っているというか、
姉妹の弱点をついた効果的なものでした。
「きょうだいの下の子は苦労するな。私もそうだったからわかる。」
王様の命令だからしかたなく自分は犠牲になる、というメアリーの心が、
急に王への愛に傾いた瞬間です。
妹の心の中に姉からの抑圧があったことがここでもわかります。
本人が意識していたか、認めていたかはともかく。

打算と手練手管によってヘンリー8世の愛情を自分に向けた時の姉の顔。
妹を振り返った時のナタリー・ポートマンの、あのドヤ顔。
まったく、ナタリー・ポートマンは悪女が似合います。





話がそれますが、
ミロシュ・フォアマン(「アマデウス」「カッコーの巣の上で」の監督)の「宮廷画家ゴヤは見た」では、
前半では天使のように清純な少女を演じていたナタリー。
その美しさにしびれて、他の作品を、と思ってレンタルしたのが、「ブーリン家の姉妹」でした。
しかし「ゴヤ」後半では、体当たりで汚れ役を演じていましたね…
ラストシーンでもドヤ顔が見られたのを思い出しました。
自分の父親(そうとは知らないのですが)が処刑される様子を、
扇子を使いながら高みの見物。
あの顔も、「ブーリン家」のアンのドヤ顔と同じように、残酷で自己中だけど美しい、うそのない顔でした。

そう。
アンはほんとに「自分が自分が」って性格なんだけど、すごく正直でまっすぐなんですよ。
優秀であるために、勝つために、努力と勇気を惜しまない。
怒る時は怒るし、妹に傷つけられたしかえしはせずにはいられないけど、
あんがい根にもってないんです。
しかえしが終われば。

だから、自分からヘンリー8世の心が自分から離れそうになった時、
妹に「助けて、そばにいて、姉妹でしょう、あなただけが頼りなの」と甘えられる。
ワガママ、自己中、いいかげんにしろこのお姉ちゃんは、とは思うんだけど、
それはやっぱり愛なんです。
妹のせいで(わざとじゃないにしても)自分のプライドが傷ついたことはムカつくんだけど、
どんなことになっても妹は自分の味方でいてくれる、と無邪気に信じているとこがある。
良いお姉ちゃんでなく困ったお姉ちゃんですが、
やっぱりお姉ちゃんは妹が大好きなんだろうなあと思いました。

いっぽう、スカーレット・ヨハンセン演じるメアリーは、クール・ビューティーなんですよね。
火のような情熱の姉と対照的。
姉が処刑されそうになった時は、田舎からはるばるロンドンに戻ってきて、
危険をかえりみずに王に、姉の命乞いをする。
それも愛情と勇気が必要なことだとは頭では思うのですが、
どうも、「自分の感情で動いた」というよりも「責任感で動いた」というように見えてしまいました。
責任感だって立派なんだけど、うーん……
むしろ「いい気味よ、私は知らない」と言っておいて、姉が殺されたあとで泣くとか、
そういう展開のほうが愛情を感じますね、私は。
そういえば、結果的にアンは処刑され、メアリーはその後は田舎で心穏やかに暮らしました、
というラストで、
姉のために涙を流すシーンはなかった。
姉に意地悪された時も「ひどい、どうして」と言う程度で、感情を爆発させたことはなかった。

感情を出すことだけが愛情や信頼ではないんだろうけど。
性格の違いってやつはどうしようもないんだろうけど。
やっぱり、私の感想は
「お姉ちゃんはワガママで意地悪だけど愛情が熱い、
妹はひかえめで優しいけど、冷たい」
となってしまいます。

この映画を観たとき、ちょうど妹と冷戦状態だったので、
どうしても主観的な印象ばかり残ってます。
この映画を観て、自分は妹を愛してるんだなーと思いました。
なんで妹にイライラするのかにも思い当たりました。
観てよかったです。
妹の気持ちを想像することもできたし、姉の暴君ぶりを反省する機会になりました。

姉妹って難しいですよねえ……
でも、姉妹のような関係は他にない。




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